概要
多くの動画配信サービスでは、表示をするためにはその構成要素の全てが HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection 大容量デジタルコンテンツ保護)機能に対応した機器でなければなりません。HDCP の詳細についてはこちら(「HDCP について」)の記事で解説しています。
当社の複数の外部モニタ接続に対応した USB-C ドッキングステーションには、USB グラフィック技術である DisplayLink や Silicon Motion チップが採用されているモデルがあります。このような機器を Mac システムで使用するためには、macOS 側の設定で「画面録画」を有効にする必要があり、これによって HDCP ビデオ再生がシステム全体で無効になります
macOS システムで DisplayLink 機器を使用するために導入が必須の「DisplayLink Manager」ソフトウェアは、実際には画面を録画することはありません。その代わりに、外部ディスプレイをレンダリングし、グラフィックデータを USB データに変換してドッキングステーションへ転送しています。しかし macOS は USB 外部ディスプレイ・データに関するセキュリティ項目を持っておらず、一見すると誤解されそうではありますが「画面収録」のカテゴリでオンにする必要があります。
また macOS は、DisplayLink のような USB グラフィック技術で接続される外部モニタと、内蔵 GPU に直接接続されるモニタ(ノート PC の場合はノート自身のモニタ、あるいは USB-C ポートに接続される 1 台のネイティブ外部モニタ)との区別をしないため、「画面収録」をオンにするとシステム全体の HDCP 機能が無効となります。
Mac システム別 HDCP 機能制限情報
Intel Mac システムの場合
Intel 社製チップを搭載した Mac システムは、Thunderbolt 3 ポートに接続した外部グラフィック機器により 2 台以上の外部モニタ接続に対応しています。つまり Intel Mac システムでは、システム側の制限台数までであれば USB グラフィック技術を使用する必要はなく、HDCP コンテンツの再生も可能です。
- MacBook Air または MacBook Pro(13 インチ)システム:最大 2 台の外部モニタを接続可能
- MacBook Pro(15 または 16 インチ、AMD GPU 搭載):最大 4 台を接続可能、Thunderbolt 3 機器など外部グラフィック機器を利用
- iMac および Mac Mini システム:最大 3 台を接続可能(うち 1 台は HDMI ポートを使用)
Apple Silicon(M1/M2)システムの場合
Apple 社製チップを搭載した Mac システムは、モデルによって何台の外部モニタが接続できるかが異なります。
- M1 および M2 MacBook Air または MacBook Pro(13 インチ)システム、M1 iMac:1 台の外部モニタのみ接続可能。複数の外部モニタ接続をする場合は USB グラフィック技術が必要となり、HDCP コンテンツの再生はできなくなります。
- M1 Mac Mini:2 台までの外部モニタ接続が可能(1 台目は HDMI ポート、2 台目はThunderbolt 3 または USB-C ドッキングステーションに接続)2 台までの接続の場合 HDCP コンテンツの再生が可能です。 2 台以上の外部モニタを接続するには USB グラフィック技術が必要となり、HDCP コンテンツの再生はできなくなります。
- M1 Pro または M1 Max チップを搭載した MacBook Pro(14 インチまたは 16 インチ): 搭載したチップセットの技術仕様に応じて、最低 2 台、最大 4 台の外部モニタを接続可能。USB グラフィック機能を使わない限り、HDCP コンテンツの再生が可能です。
上記の情報についてご質問がある場合は、Plugable 技術サポート nihongo@plugable.com までメールにてお問い合わせください。
関連 Plugable 製品
下記の Plugable 製ドッキングステーションは、DisplayLink または Silicon Motion USB グラフィック技術を使用しています。
- Plugable USB-C トリプル・ディスプレイ ドッキングステーション
- Plugable USB 3.0 デュアル・ディスプレイ ドッキングステーション
- Plugable USB 3.0 または USB-C グラフィック変換アダプター